Case Study — 駅いく
自社負担は最小限に抑え、最高のおもてなしができる


佐々木 康介
東日本旅客鉄道株式会社 大宮事業本部 事業推進部 地域共創モビリティユニット

加治原 栞奈
東日本旅客鉄道株式会社 大宮事業本部 事業推進部 地域共創モビリティユニット
導入の概要
駅や車両基地など、鉄道のアセットを活用した「駅いく」を、2023年に上野駅で初めて開催。以降、新宿駅や大宮駅、戸田公園駅など首都圏での定期的な開催のほか、盛岡駅や古川駅、八戸駅などエリア全体で駅いくを広げている。
「ワクワクしごと100プロジェクト」のひとつとして「駅いく」を開催してどうでしたか?

佐々木:元々当社でも、お子さま向けのイベントはやっていましたが、どうしても企画業務に不慣れな社員もいます。あすいくさんと一緒にやると、プロの保育士さんによる安心・安全な運営に加え、役割分担も明確になって負担がだいぶ減っていると実感しています。
加治原:最近では、駅社員や乗務員から「こういうことを駅いくでやりたい」と話しかけてもらうことも増え、広がりを感じています。特に若手社員は「こんなことを自分もやってみたい」というアイデアを持っていることが多く、若手社員の声を実現する舞台としても、駅いくを活用できています。

佐々木:当社グループでも「HAPPY CHILD PROJECT」という子育て支援事業として、親子向けのイベントはやっていますが、保育士もいないので、お子さまだけをお預かりしたことはありません。駅いくでは、お子さまにはたっぷり鉄道コンテンツを楽しんでもらい、保護者の方には少し子育てから離れて、ゆっくりしてもらえる。両方にメリットがあり、沿線で取り組む活動としてとてもやりがいがあります。
加治原:あすいくさんは元々顧客の基盤を持っているので、開催する駅の近くの方だけでなく、他の地域からも来ていただけることも、自社だけでは実現できないことだと思います。リピーターのお子さまが少しずつ大きくなってきて、勝手に親目線で成長を感じて嬉しくなったりすることもありますね(笑)。
自社開催のイベントとの違いを教えてください

佐々木:自社開催の場合、長い場合は半年くらい前から企画して、販売ページも自分たちで作り、受付からお見送りまでの人員を確保しなければいけません。管理者を含めて、多ければ10人以上が携わります。駅いくでは自分たちの本業である鉄道コンテンツ部分に集中できるので、自社負担は最小限におさえながら、お子さまにも保護者の方にも最高のおもてなしができますね。
加治原:企画を考えたり、販促活動をしたり、当日以外にもやることがかなり多い自社開催に比べて、駅いくでは、たとえば週末の出社が難しい社員が平日に企画を考え、開催当日は別の社員が担当するなど、役割分担も明確なので、すごくやりやすい。開催後のアンケートを見ても、かかわった社員が非常にやりがいを感じていますし、「またやりたい」という声が現場から上がってきています。

佐々木:駅いくだと、社員からいろいろなアイデアが出てきます。2025年に小山・小金井駅で開催した駅いくでは、乗務員からのアイデアで回送列車にお子さまを乗せて洗浄線(列車を洗う線路)を走るコンテンツを実施するなど、これまでにない新しい取り組みを加えることができました。2回目、3回目をやりたいと言われることも増えてきて、社員の成長にもつながっています。
加治原:経験していくうちにお子さまが喜ぶポイントがわかってきて、コンテンツがブラッシュアップされていきますよね。初回の開催はゼロからなのでちょっと大変かもしれませんが、回を重ねると、コンテンツの骨組みが固まって、どんどん手軽に取り組めるようになります。自分たちの仕事を外に発信する貴重な機会なので、自信をつけていく感じがしますね。駅いくに参加した社員から今度は高校生向けの企画が上がってきたり、意識の変化が生まれてきています。
JR東日本が「駅いく」に取り組む意義は何でしょうか?

佐々木:企業の社会的価値が問われる時代になり、本業だけやっていればいいというわけにはいきません。さらに人口が減っていくなかで、ファンを作り続けることには大きな意味があります。「知ってもらう」など、点だけで接点を作るのではなく、自社のアセットをうまく活用しながら、お客さまの生活にかかわり続ける。それがとても大事だと思っています。
加治原:駅いくは、とにかくお子さまの満足度が高い。私たちが伝えたいことを的確につかみながら、あすいくさんが半分以上運営を担ってくれて、当社の魅力をギュッと詰め込んだ形でお客さまに届けられます。いろいろな駅の駅長からも、「どんどんやろう」と言われています。

加治原:最初の頃は、こんな小さい子たちに仕事内容がわかるのかなと心配もしていましたが、子どもの「好き」ってすごくパワーがあって、私たちが思っている以上に「知りたい!」という気持ちを持って楽しんで参加してくれます。子ども向けだと、なんとなくわかりやすくちょっとした紹介程度になりがちですが、そうではなく、本当に普段、社員がやっている仕事を体験してもらうことを大切にしています。
佐々木:そこでの経験が、当社の仕事への理解につながり、将来に結び付く可能性を多く秘めていると思います。そして保護者の方も、お子さまがリアルな体験をして帰ってくることをすごく喜んでくれています。今後も、駅いくを通じて、より多くのお子さまにワクワクしていただきたいですし、あすいくさんと一緒にやることで開催のハードルを下げ、社内でも多くの社員に参加してもらい、企業価値の向上につなげていきたいと考えています。
Company Profile
- 社名
- 東日本旅客鉄道株式会社
- 本社
- 東京都渋谷区代々木2-2-2
- 設立
- 1987年4月
- 従業員数
- 45,040人(2026年7月)
- 事業内容
- 鉄道事業、生活サービス事業 ほか
- Webサイト
- https://www.jreast.co.jp/